メガバンク・都銀の住宅ローンを考える!!

ローンを考える

 

変動金利や短期固定金利にはほとんど差がない!!

住宅ローンの貸出残高を見ると、全体の60%~70%を、都銀などのメガバンクや地方銀行などの銀行が占めている現状があります。なかでも都銀などのメガバンクは全体の30%ほどに及び、最も大きなシェアを占めています。最近では、フラット35を中心とするモーゲージバンクの役割も大きくなっていますが、それでも銀行、なかでもメガバンクが重要な役割を果たしている点は変わりません。

 

そのメガバンクの金利をみると、変動金利型については、金利引き下げ後の実質金利は0.75%で横並びになっています。メガバンクに限りませんが、ほとんどの金融機関が金利引き下げ制度を実施しており、利用者の多くが店頭表示金利がより低い金利の適応を受けけています。この金利引き下げ制度には、当初の金利を大幅に引き下げて、その後は引き下げ幅が小さくなる「当初期間重視型」と、下げ幅は小さくなるものの、それが完済まで続く「全期間型」とがあります。

 

 

金利以外の保険や各種サービスも重要です!!

銀行のサービス

 

全期間型の最新の金利例は、変動金利型が横並びであるのに対して、固定期問選択型ではみずほ銀行の金利が総じて低く、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行よりかなり有利な設定になっていることがわかります。しかし、これはこの段階でみずほ銀行が営業戦略上、金利を特に低く設定しているだけで、この関係が永遠に続くものではありません。住宅ローンの借り入れを行うときには、常に最新の金利情報を把握して、少しでも有利なローンを利用するようにしましょう。また、目先の金利だけではなく、近くに店舗があるか、その他のサービスなどの使い勝手はどうかなどまで、総合的にチェックした上で判断するのがベストです。

 

 

固定金利型は返済期間で 金利が違っている

上でもふれたように、固定期問選択型は固定期間が長いほど金利が高くなりますが、全期問固定金利型についても、返済期間によって金利が違っている点に注目しておく必要があります。金利は5年単位で設定されることが多いので、25年と21年は同じ金利ですが、21年と20年では違ってきます。20年のほうが、若干ですが金利か低くなります。ただし、その辺りの設定の仕方も、金融機関によって若干異なります。みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行は5年単位で違いますが、三井住友銀行は21年より長い返済期間は同じ金利になっています。しかし、いずれにしても、返済期間が1年違うだけで適用金利が変わることには要注意。1年の差で総返済額が100万円以上も違ってくるのですから、その点も折り込んでローン選びを行なう必要があるでしょう。

 

さらに、ほとんどの金融機関ではフラット35を扱っていますが、その金利も大きく異なります。2017年8月の時点では、日本住宅ローンなどのモーゲージバンクの金利が低く、メガバンクの金利はやや高めになっています。ただ、金利が低い分、モーゲージバンクは融資手数料が高いので、金利だけではなく手数料にも注意が必要です。個人の条件によっても 適用金利に差がこのほか、ローンを利用する人の条件や、購入する物件によっても、金利が違ってくることがあります。たとえば、メガバンクの多くでは、自己資金2割以上、返済負担率20%以下の人は、金利が0.2%低くなりますし、新規購入ではなく借換えの場合は金利を若干低くしている銀行もあります。ユニークな例としては、少子化傾向に歯止めをかけるという目的から、大家族に対して金利を引き下げるというケースもあります。

 

また最近の大きなトレントとしては、環境配慮型の住宅について、金利を引き下げる金融機関が目立つのが特徴です。オール電化住宅などが対象になるようです。さらに、フラット35では、優良住宅取得支援制度として、一定の性能を確保している住宅については、金利を引き下げる制度を実施しています。

 

メガバンクでも金利は微妙に違っている【2021】

数年前までは、住宅ローンといえば、どの銀行で利用しても金利などの条件が変わらないのが普通でした。それがいまでは随分と違ってきています。わが国を代表するメガバンクであっても、それぞれで金利は異なるのです。比較しやすいように、全期問引き下げ型、つまり完済まで同じ幅だけ金利が引き下げられるタイプで比べてみましょう。2018年8月の3大メガバンクの金利が下の図です。この月は一見してわかるように、三菱東京UFJ銀行が他の2行に比べて0.2%程度低くなっており、有利です。また全期間固定金利型をみると、やはり総じて三菱東京UFJ銀行の金利水準が低くなっています。ただ、返済期問20年までについては、みずほ銀行の金利が低くなっているのが目立ちます。この金利は、原則的に毎月変わります。いつまでもこの関係が続くわけではないのです。2019年はこの金利でも、皆さんが申し込もうとする時期には違っているでしょう。こまめにチェックすることが重要です。

 

キャンペーンなどの特別な金利には注意!!

一方、当初期間重視型については、みずほ銀行は2年ものだけで、三井住友銀行と三菱東京UFJ銀行は固定期間選択型5年と10年のみの扱いになっています。2年、3年など固定期間の短いものは、固定期間終了時の金利上昇リスクが大きいため、取り扱いを中止しているようです。利用者の家計の安心を考えると、これはたいへん好ましいことだと思います。いずれも、自己資金20%以上などの一定条件を満たす人に対しては、最大0.1%の金利引き下げを行っています。その適用を受けられれば、いっそう有利になるわけです。

 

なお、金利が上昇しても比較的安心感のある固定期間選択刑10年を見ると、みずほ銀行は全期間型でも1.25%の金利が適用されるので有利なようです。さらに、三行とも返済期間20年以上の全期問固定金利型を取り扱っています。それも2%前後のかなり低い金利になっています。これは、資金調達力に優れたメガバンクならではの商品といっていいでしょう。

 

また、フラット35については、みずほ銀行の金利が低いようです。これはここ数年続いている傾向なので、メガバンクを通してフラット35を利用するなら、みずほ銀行が有利であるのは間違いありません。みずほ銀行以外はモーゲージバングに比べると若少し高くなっていますが、その差はさほど大きくはなくなっています。しかも、メガバンクには住宅金融専門のモーゲージバンクにはない預金などの各種のサービス機能があります。金利だけではなく、手数料や使い勝手までを考えながら、比較検討するべきです。

 

自分たちにあうローンがないかひと通り確認することが大切です。家族構成や購入する住宅に応じた優遇もあります。最近は、さまざまな人向けの特典の付いた変わった住宅ローンが増えています。地域やエリアなどの関係から、自分たちが利用できそうな機関をひと通りチェックして、自分たちにとって少しでも有利になりそうなローンがないかどうか探してみると、意外な発見があるかもしれません。

 

国土交通省が金融機関を対象に実施した調査の結果によると、多くの金融機関で実施しているのが、「疾病保障付き」のローンです。8割以上の金融機関が実施しています。これは2007年度における29.5%から2017年度では89.8%に急増しています。しかも、そのサービス内容もどんどん進化しています。当初は、がんだけを保障する特約が多かったのですが、それがやがてがんを含めた3大疾病に発展し、最近では4つの生活習慣病を加えた7大疾病を対象とするローンなども増えています。

 

三菱東京UFJ銀行の「7大疾病保障付きローン」の概要を紹介しましょう。7大疾病にかかってから1年間はローン返済額が実質的に免除されます。また、業務に従事できない状態が1年間続いた場合には、住宅ローン残高がゼロになります。ローン返済がなくなるわけです。しかも、緊急医療相談などのサービスも付いてきますから、新居での生活の安心感が高まりそうです。対象となる疾病や保険料は金融機関により異なりますから、自分たちの状況にあわせて利用するようにしてください。

 

契約時などに金利を確定できるローン!!

注目しておきたいのは、「申込時金利を適用可能型」を実施している金融機関が半数を超えている点です。ご存知のように住宅ローンは、原則的に融資実行日の金利が適用されますが、金利は毎月変化します。申し込みや契約から融資実行日までに月が変わると金利が変わり、返済額も違ってくる可能性が高いのですが、そうなると家計に影響が出てきかねません。このため、契約段階などで金利を決めてくれる金融機関が多いのです。ただし、その期間には制限があり、長くても半年後までとなっています。1年後、2年後までは保証してくれませんから注意してください。

 

このほか、環境配慮型の住宅への特典、少子化対策の特典などさまざまなローンがあります。たとえば、三菱東京UFJ銀行では、「エコサポート」として、オール電化などに加えて太陽光発電設備を設置した住宅について、超長期固定金利型の金利を0.1%優遇しています。出産前後6か月以内に申し出れば、1年問金利が0.2%引き下げられる女性向けの特典もあります。

 

返済方法も多様化している!!

返済方法のサービスも多様化が進んでいます。たとえば、ローン残高から預金分を差し引いた金額にのみ金利がかかる「預金連動型」は、預金が増えれば、実質金利がゼロになる可能性もあります。余裕資金は繰り上げ返済が一番ですが、手元に流動性の高い資金を一定額残しておきたい自営業などの人にとっては、何かと便利かもしれません。さらに、返済方法についても多様化か進んでいます。たとえば、毎月返済額以上の金額を指定しておけば、自動的にその金額が引き落とされ、毎月返済額との差額分が繰り上げ返済に回される「自動繰り上げ返済・定額返済」などもあります。上乗せが厳しくなったときには、指定額を解除できるので、将来出産や子育て、教育費用の増大、リタイアによる収入の減少-などの可能性がある人などに向いた返済方法といえるでしょう。ただし、一度解除すると、再設定できないこともあるので注意してください。十分に調べた上で、自分たちの家族構成や購入・建築する住宅などにあわせて、少しでもトクできる住宅ローンを見つけたいものです。

※注文住宅の見積もり請求


個人的一押し ソニー銀行

ソニー銀行の金利は フラットより低 い  

固定金利型で注目しておきたいのが、ネットバンクの代表格ともいうべきソニー銀行です。まず金利をみると、20年以下は2.1%台で、20年超は、21年返済でも35年返済でも、同じ2.275%です。民間では、返済期間が長くなるほど金利が高くなるのが普通ですから、利用する返済期間が長い人ほど、ソニー銀行のメリットが大きくなるといえるでしょう。しかも、同行の場合、翌月の金利が月の半ばに公表されます。一般の銀行ではその月の最初の営業日になってみないとわからないことが多いので、それに比べて計画が立てやすいというのも大きな特徴です。ここであげたのは長期の固定金利型の例ですが、変動金利型などを利用している場合、月の半ばに翌月の金利をチェックして、大きく上がるようなら固定金利型に変更するといった対応をとることが可能になるわけです。団信保険料・保証料ともに かからないのも大きな魅力です。

 

ソニー銀行の住宅ローンには、金利に団体信用生命保険料が含まれているのに加えて、保証料もかからないという魅力もあります。一般の民問ローンでは、団信保険料は金利に含まれ別途負担はないものの、保証料の負担があります。一方フラット35は、保証料はかかりませんが、別途団信保険料の負担が必要です。ソニー銀行は、この両方ともかからないので、金利差以上に、実質的負担の軽減につながるのです。35年返済の例ですが、メガバンクで最も金利の低い三菱東京UFJ銀行は3%台半ば、日本住宅ローンのフラット35は2.3%台なのに対して、ソニー銀行は2.2%台です。金利だけでも、ソニー銀行が有利ですが、金利以外の手数料、保証料、団信保険料まで合わせた、完済までの総支払額をみると、その差は相当なものになります。三菱東京UFJ銀行は約5265万円、日本住宅ローンは約5009万円、ソニー銀行は約4691万円です。日本住宅ローンに比べても約318万円、三菱東京UFJ銀行に比べると約568万円も少ないのです。

 

しかも、団体信用生命保険については、35年の間には、保険料が引き上げられる可能性があり、そうなると、日本住宅ローンのフツト35の総支払額はもう少し増えてしまいます。さらに、使い勝手という面からみても、ソニー銀行はローン契約まで店頭に足を運ぶ必要がありません。その後の一部繰上げ返済もネット上だけで可能で、原則的に無料という点もメリットといえるでしょう。